製本用語集

マーブルmarbled

書籍や帳簿などの小口面を墨流しや大理石の肌目の柄(紋様)などで装飾すること。帳簿では改竄防止のためにも行われる。枚葉紙にマーブル取りしたり印刷してテーブルにしたものもある。発祥は諸説あり、

  1. 中国の墨流しがインド、ペルシア、トルコを経てヨーロッパに伝わり、18、19世紀に最盛期を迎えた、
  2. 17世紀にオランダで生まれ、玩具の包装紙としてイギリスに渡り装幀等に使用され、ヨーロッパに逆輸入された。我が国にはパターソンにより伝えられたとも、明治元年ドイツ人により大阪に伝えられたともいう。
液面の波紋をすくいとって紙に定着させるので、その紋様は偶然の所産によることろが多いが、職人芸はあらかじめその柄の概略を頭の中に描けるようである。模様により、くじゃく、トルコ、フランス、ドイツ、アメリカ、イタリア、雲などの名がある。「墨流し」ともいう。この作業を「マーブルとり」「マーブルつけ」という。