企業の動き【2020年03月】

森林認証ホワイトの封筒を新発売 ◆富士ゼロックス

富士ゼロックスは、圧着はがき等への活用が可能な業界初の接着機能を持つ特殊トナーを開発した。新トナーは従来のトナーと同時に複合機・プリンターに搭載することができ、プリント物の任意箇所に圧力をかけることで、意図した接着力を発揮する。活用用途は圧着はがきに限らず、ホッチキス機能の代替や製本等への展開を見込む。同社独自のトナー製法技術であるEA製法により、トナー内部に新開発の圧力応答性樹脂を微細に均一分散させることで、ムラのない接着機能を発揮することを可能にした。用紙同士の接着力はトナーの量や印字面積、圧力シーラー装置の条件により制御することが可能。新トナーを用いることで、印字領域と接着領域を同時にプリントできるため、従来出力後に別工程で行っていた糊付け工程を削減する。

クラウドファウンディングを活用 ◆三協印刷

岡山県岡山市の三協印刷は、クラウドファウンディングプラットフォーム『CAMPFIRE』で、紙製の書類フォルダーの作成プロジェクトを立ち上げた。紙製の書類フォルダーは環境へ配慮した素材を利用した商品で、ガイド線に従ってカットすることで、B5サイズやA5サイズにリサイズして使うことができる。塩素を使わずに漂白したECFパルプとコットンパルプを配合した環境対応紙を利用。良質のコットンパルプ紙のため毛織物を思わせる緻密で温かい肌触りがある。深みのある色彩の紙に金のインキでガイド線が印刷されている。

開発研究棟の本格運用を開始 ◆ユポ・コーポレーション

ユポ・コーポレーションは2020年1月から開発研究棟の本格運用を開始した。研究棟は、近年ますます多様化する市場要望やSDGsが提唱する環境配慮型製品への期待の高まりに対する製品開発力の強化を目的に2018年から着工された。棟内には工場内に分散配置していた各種パイロット・試作・試験設備を集約するとともに各種印字、印刷機からラベリングマシンや加飾装置などの実用評価機器、最新の各種分析・検査機器を導入。国内外のグループ全体の研究開発を担う拠点として新製品開発のスピードアップを図る。工場内の開発関連設備として活用されていた移設跡地には、将来の多品種・新製品生産に対応した生産設備を順次導入することで、将来の需要増に備え、生産能力の増強を計画している。

AI技術で次世代検査機開発 ◆タクトピクセル

人工知能(AI)で印刷産業向けのソリューションを提供するタクトピクセルと印刷品質検査技術を有するナビタスビジョンはAI技術で業務提携した。タクトピクセルのAI技術・深層学習技術で画像の学習済みモデルを作成するWebアプリケーションツール・POODL(プードル)は印刷検査の現場に導入され高い評価を受けている。タクトピクセルはAI技術を通じて、検査システムで検出した欠陥種類の自動分類、過検出の抑制、印刷の上流工程へのフィードバックの実現など、ナビタスビジョンが企画する次世代検査機器の開発を支援する。

AI顔識別ソリューションを活用 ◆福博印刷

福博印刷は、グルーヴノーツが開発した「顔識別ソリューション」を活用したパーソナライズされたオリジナルのフォトブックサービスの提供と、「顔識別ソリューション」クラウドサービスの販売を開始する。「顔識別ソリューション」は、グルーヴノーツのクラウドAIプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS(マゼランブロックス)」のうち、写真1枚の学習データからでも人工知能で高精度に特定の人物を見分けるのに特化したソリューション。福博印刷は、これまで蓄積してきた印刷技術とグルーヴノーツが提供する「顔識別ソリューション」を組み合わせ、膨大な写真データの中からでも指定した人物の顔が映る写真データをピックアップして作るオリジナルのフォトブックサービスを提供する。あわせて「顔識別ソリューション」クラウドサービスの要望のあった企業に導入支援を行っていくとしている。

デジタルマーケティングを強化 ◆図書印刷

図書印刷は、UNIWORXの発行済み株式のすべてを取得し、子会社化した。図書印刷は情報デザイン事業で、ICT商材の開発やデジタルマーケティングの販売を強化するとともに、複数のメディアを融合した新たな販売促進ソリューションの開発に取り組み、事業領域の拡大を進めている。同社は顧客データを収集・管理・活用したマーケティング支援サービスを、EC/会員ビジネス支援、メディア運用、CRM支援等の仕組み構築から運用代行までトータルで提供し、顧客の課題を伴に解決するパートナー企業を目指している。

アポジーサブスクリプション開始 ◆アグフア

日本アグフア・ゲバルトは2月4日、プリプレスワークフロー『アポジー』の新サービス『APOGEE Subscription(アポジー・サブスクリプション)』を開始した。チラシ印刷をメインにカタログや学参物などの印刷を手掛ける老舗のオフセット輪転印刷会社栄進堂印刷が国内で初めて採用。『アポジー・サブスクリプション』は、『アポジー・クラウド』のライセンスをローカルサーバーでも月額制で提供出来るようにしたハイブリッドな新サービス。

いちき串木野市の地域活性支援 ◆共栄メディア

セールスプロモーション企画を手掛ける共栄メディアは、鹿児島県・いちき串木野市の特産物・サワーポメロに合う新感覚のジュレを開発し、発売した。特産物による地域活性を目的とするプロモーションの一環で、同社が運営するJuremi公式ECサイトで販売している。サイトでは、Juremiの通信販売や商品紹介をはじめ、サワーポメロの紹介や生産者、サワーポメロを生産する、いちき串木野市や鹿児島県の情報などを発信する予定。SNSなどでも情報を発信し、PRしていく。

トークの印刷積算ソフト事業譲受 ◆J SPIRITS

J SPIRITSは、トークと印刷積算ソフト「ミツモザウルス」について事業譲渡契約を締結した。これからは、J SPIRITSが「ミツモザウルス」の企画・開発・サポートを展開する。J SPIRITSはすでに印刷見積シミュレーションソフト「みつもさぴえん」を有しており、多くの印刷会社が採用している。「ミツモザウルス」は印刷会社をはじめ、官公庁などの印刷物の発注担当者に利用されている。2月6日に開催したユーザー懇親会でJ SPIRITSの地代所伸治社長は、しばらくの間、2つのソフトウェアを取り扱っていくが、今後、両ソフトの特徴を合わせ持った統合版の開発を推進する意向を明らかにした。

パーソナライズドDMでMA実装 ◆電通テック

電通テックは、企業のCRM活動を支援するパーソナライズドDMソリューション「Direct→One」と、トライベック・ストラテジーのマーケティングプラットフォーム「HIRAMEKI management」を連携させ、マーケティングオートメーション(MA)機能を実装したパッケージ提供を開始した。これにより、MAツールを導入していない企業における、顧客データ分析・作成されたカスタマージャーニーに基づくメールマガジン配信などのデジタル施策と、一人ひとりに最適化されたダイレクトメールなどのリアル施策を連動させたMAによるマーケティング施策の実施が可能になる。

世界的なリーダー企業に ◆リコー

リコーは、米国のIT専門調査会社IDCが発行した最新の調査報告書「IDC MarketScape:Worldwide High-Speed Inkjet Press 2019–2020 Vendor Assessment」(高速インクジェットプリンターの評価レポート)で、世界的なリーダー企業として評価された。同報告書の調査対象は、IDCが選定したリコーを含むベンダー8社と、全世界の地域としている。リコーは、カスタマーサクセスに貢献するための支援体制や、継続的な技術革新や顧客からのフィードバックを確実に製品に反映する開発プロセスが評価された。こうした取り組みにより、幅広いコート紙に高速印刷を可能にするリコーの次世代インクや、乾燥工程で発生するしわを抑制し、印刷の表現性と生産性を高める新ドライヤーを搭載した高速インクジェットプリンター「RICOH Pro VC70000」を開発し提供している。また、販売後は故障の修理に留まらず、リコーの専任サービスチームにより継続的な提案やトレーニングサービス、SaaSサービスを提供する。

バガスを有効活用したA4名刺 ◆ハート

ハートは、サトウキビの繊維(バガス)を有効活用した非木材紙の名刺専用紙「A4 パガスホワイト9号10丁付」を新発売した。サトウキビから砂糖の原料を搾った後に残る茎など(バガス)は、一部燃料や家畜の肥料などに利用されているが、余剰分については特に利用されることなく、破棄処分されていた。パガスには多くの繊維が含まれており、それを原料としたのが、この度販売開始した新製品のバガスホワイト名刺専用紙。手触りのよい、ややラフな紙質で、質感が感じられる淡い生成り色を特長としている。今回の新製品にあわせて、ハートではオリジナルのバガスマークを用意。名刺に印刷して使用すれば、環境問題に取り組んでいる企業であることをPRできる。

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