商業用高速インクジェット事業に参入
カットシート式の新製品を発表
京セラドキュメントソリューションズは商業用高速インクジェット事業に本格参入する。今年３月、国内でカットシート対応のインクジェットプロダクションプリンタ『TASKalfa Pro 15000c』を発売し、印刷会社や企業の集中印刷室を対象に直売と印刷機材商社を通じて販売する。同社では高速連帳インクジェットプリンタと、電子写真方式のプロダクションプリンタの中間に新製品を位置づける。
新製品は毎分150枚（片面）出力の高生産性が特徴で、時間換算で毎時9,000枚を出力することができる。用紙サイズはＳＲＡ３（320㎜×450㎜）からＡ６タテ。普通紙をはじめ、インクジェット用紙、エンボス紙、封筒など幅広い用紙に対応する。最大で幅300㎜×長さ1,220㎜の長尺にも出力する。
印刷方式はラインインクジェット方式。インクは水性顔料。解像度は600×600dpi。インク吐出タイミング補正による色ずれのない画質を実現するとともに、表裏見当精度も高い。
コントローラーは標準搭載コントローラーと、EFI社のファイアリー印刷サーバーから選択できる。いずれもPDFファイルのネイティブ処理が可能で、バリアブル印刷の適性も持つ。
初年度は全世界で500台、日本市場でそのうち10％の販売を見込む。
京セラはもともとインクジェットヘッドのメーカー。印刷業向けの連帳式インクジェットプリンタにも採用されている。
今回のプリンタはカットシート式。用紙と接触せずに描画するインクジェットは高速化を実現し、凹凸の用紙でも印刷できる特徴がある。国内では理想科学工業やキヤノンがすでに業務用カットシート式のインクジェットプリンタを発売しているが、今後、品質や色・稼働の安定性などが向上すれば新しいジャンルが開拓されるかもしれない。
