次世代に対応した教育の現場へ
学習指導要領の改訂と教科書のデジタル化
2020年度から順次、学習指導要領が改訂される。移行期間である2018年度から小学校向けが、2019年度からは中学校向けの教科書でそれぞれ検定および採択の作業が進められており、小学校は2020年度から、中学校は2021年度から新学習指導要領の実施となる。また、およそ4年に1度のペースで改訂が進められている教科書も、2019年に学校教育法等の一部が改正され(2019年4月から施行)、デジタル教科書の活用が認められた。
今回の学習指導要領の改訂は、情報化、グローバル化の加速度的進展、人工知能(AI)の飛躍的進化といった急激な社会変化に対応する未来の創り手となるために必要な資質・能力を育むことを目的に行われる。改善内容は、言語能力の確実な育成、理数教育・伝統や文化に関する教育・道徳教育・体験活動の充実、初等中等教育の一貫した学びの充実、主権者教育、消費者教育、防災・安全教育などの充実、プログラミング教育を含む情報活用能力、子供たちの発達の支援(障害に応じた指導、日本語の能力等に応じた指導、不登校等)など。授業も主体的・対話的で深い学びに向けた改善が目指される。
一方、学校教育法等の一部の改正については、情報通信技術の進展などを背景に、教育課程の一部においてあるいは障害のある児童生徒等の学習上の困難の程度を低減させる必要がある場合の教科用図書において、デジタル教材を使用することができるようになった。
こうした動きから、2020年度から小学校では新学習指導要領に基づく教科書が使用され、それに対応した新しいデジタル教科書および教材による新しい授業が行われるとされている。年間で1億冊を超えると言われている教科書市場に取り組む企業にとって、紙の教科書と電子教材を融合させた新しい提案が進められている。