2018年度のeラーニング市場規模はの2,071億円と予測
堅調推移を継続するBtoB市場、提供形態の多様化が進むBtoC市場
株式会社矢野経済研究所は、国内のeラーニング市場について調査を実施した。
それによると、2018年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比3.6%増の2,071億円と予測している。BtoB市場は良好な雇用環境を背景とする顧客企業の人材育成投資の活発化により、堅調な推移を継続。BtoC市場は参入事業者間の業績に好不調が生じる可能性はあるものの、総じて当該領域における大半のサービスの伸長を予測している。
2017年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比13.2%増の2,000億円を見込んでいる。内訳は、企業・団体内個人を含む法人向けのBtoB市場規模が同3.9%増の620億円、個人向けのBtoC市場規模が同17.9%増の1,380億円で、前年度に続き両市場ともに拡大見込みとしている。
BtoB市場は、スマートフォン、タブレット端末の普及による学習ツールの多様化、情報通信技術の向上、クラウド環境の進展などによってもたらされたeラーニングの利便性向上が、顧客企業の利用機会増加、顧客層のすそ野拡大を導き、堅調推移を継続させている。一方、BtoC市場は、2014年度を境に1,000億円台の規模に急成長し、ここ数年における国内eラーニング市場規模の拡大を牽引している。
2017年度のBtoC市場は、学習アプリをはじめとする無料のサービスも多く、市場規模の拡大以上にサービス数、ユーザー数は増加しているものと推測。また、学習理解を深めるためのツールとして、学習コースの一部に動画解説やオンラインによるコーチングを組み込む、あるいは、eラーニングとリアルのコーチングを融合させるなどの学習サービスは増加、多様化の傾向にある。特に今年は働き方改革による余暇の過ごし方としても、eラーニングの活用に注目が集まる。