最先端技術で日本の魅力を発信
地方創生・観光立国の共創拠点を新設
凸版印刷は6月7日、東京都千代田区に「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」を開設した。同施設は最先端の表現技術を用いて文化財や史跡、観光資産の魅力を体験できる共創拠点となる。
同施設は、日本の国宝や文化財をデジタルアーカイブ化し、その魅力を世界に向けて発信することが狙い。
文化財のデジタルアーカイブは、世界各国、特に欧州連合(EU)で進んでいる。一方、日本は海外に比べてデジタルアーカイブ化が遅れている。1997年からデジタルアーカイブデータの公開手法を提供してきた凸版印刷は、今までの実績、ノウハウを活かし、その遅れを取り戻そうと今回の事業に取り組んだ。
同施設は、VRテクノロジーやデジタルサイネージ、プロジェクションマッピングで日本の魅力を表現しながら、文化資源や観光情報を集約し、発信する。最先端技術に触れながら、新たなビジネスやプロジェクトを共創する。
同施設の主な対象者は、官公庁、自治体、観光関連団体や企業。各団体や企業との共創により、凸版印刷は日本文化の魅力を世界に発信し、政府が目標とする2030年の訪日外国人数6,000万人達成に向け貢献する。
こうした動きを後押しするように、観光庁は6月12日、「観光ビジョン実現プログラム2018」を発表した。同プログラムは、今後1年を目途に、VRの活用による日本の魅力発信や、世界水準の旅行サービスの実現などの「観光資源の保存と活用のレベルアップ」を掲げている。
大手企業や政府が動き出している地方創生、観光立国に対する取り組みは、今後のVRテクノロジーの発展や各団体、企業の動向によってさらに拡大することが予想される。