事業承継、企業の71.1%が「経営上の問題」と認識

事業承継実施、企業の3割で5年後の業績にプラス影響

 中小企業庁は中小企業の事業承継支援を支援する「事業承継5ヶ年計画」を実施している。帝国データバンクの事業承継に関する調査によると事業承継を「経営上の問題のひとつと認識している」と回答した企業は57.5%と半数を超え、「最優先の経営上の問題と認識している」は13.6%で、合わせると約7割を超える。調査は昨年10月に国2万3,235社に実施され、1万214社から回答を得た。
 事業承継の計画の有無は「計画はない」が29.1%、次いで「計画があり、進めている」が22.9%、「計画はあるが、まだ進めていない」は21.3%で、計画がある企業は合計44.2%となった。また「すでに事業承継を終えている」企業は14.2 %となった。反対に「計画はあるが、まだ進めていない」「計画はない」とする理由は「まだ事業を譲る予定がない」が35.8%で最も高い。次いで「後継者が決まっていない」(35.2%)、「自社には不要(必要性を感じない)」(18.3%)、「事業の将来性に不安がある」(16.9%)が続いた。
 調査では事業承継を終えている企業の業績への影響等を行っている。翌年度に「プラスの影響があった」は26.0%、「影響はなかった」は55.9%で半数超となった。5年後では、「プラスの影響があった」は30.8%、「マイナスの影響があった」は4.9%であった。
 事業承継を円滑に行うために必要なことは、「現代表(社長)と後継候補者との意識の共有」が60.4 %で最も高く、次いで「早期・計画的な事業承継の準備」46.3%、「経営状況・課題を正しく認識」45.7%、「早めに後継者を決定」42.7%で4割台である。事業承継は中小企業において難しさが指摘されており、対策として商工会議所等が行う勉強会を積極的に活用すること、事業承継を行うタイミングとして業績の良いときに済ませておくべき、という声も多かった。

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