日本タウン誌・フリペ大賞発表
『gatta!』、『ぎょぶる』の2誌
『日本タウン誌・フリーペーパー大賞2017』(主催:一般社団法人日本地域情報振興協会)の授賞式が12月2日、国立科学博物館で開かれた。無料誌の大賞に山形県の大風印刷発行『gatta!』、有料誌の大賞に福岡県の北九州・魚部発行『ぎょぶる』が選ばれた。
同大賞は全国各地に約3,000誌あるとされる、タウン誌、フリーペーパーの実績や活動、地域経済活性化に貢献している存在価値を広く知らしめることを目的としている。また、発行元媒体社の制作意欲を鼓舞し、より一層充実した取材活動を促進していくことで地域の魅力の再発見、地域経済活性化に貢献することを掲げている。
電通の『日本の広告費』によると、フリーペーパー・フリーマガジンの広告費は2016年に前年比1.6%減の2,267億円。全体的に苦戦しており、求人情報誌の『an』や情報誌『R25』が昨年、休刊あるいは終了した。日本生活情報紙協会によると、クーポンを掲載した広告系のメディアがインターネット媒体に移行している。一方、特定の趣味嗜好の方へ向けた『読み物』などは好調。記事や編集技術も向上しており、広告媒体に見えない高いクォリティーの観光向けフリーマガジンも発行されている。
今回、大賞に選ばれた2誌の編集レベルは非常に高い。大風印刷の『gatta!』は2004年に創刊。「生まれた街を、素直に好きと言える。とても素敵なことだと思いませんか?」の編集コンセプトを貫き、山形の魅力を伝えている。今回、企画、写真、文章、デザイン等、高品質の編集技術が高く評価された。
2015年に創刊した北九州・魚部の『ぎょぶる』は自然や生物に関心のある研究者や写真家、農・漁業等の多分野の専門家と愛好家が31都道府県・約320名がエッセイを集めている。専門的な情報を一般の人にも読みやすく、面白く編集されている点が評価された。