BPOサービス市場規模は前年比4.5%増の6,692億円
人材不足への対策、ITの活用などが課題に
調査会社のIDCジャパンは、国内のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)サービス市場予測を発表している。それによると、2015年のBPO市場は前年比4.5%増の6,692億円で、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)が3.4%となり、2020年の市場規模は7,903億円と予測している。
国内BPOサービス市場は、慢性的な人材不足、加速する国内企業のグローバル展開、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進行などにより堅調に成長を続けている。
2015年の国内BPOサービス市場を主要4セグメントに分けており、中で成長率が最も高かったのは「調達/購買BPOサービス市」で2桁の成長を維持した。比較的新しい分野で市場規模が他セグメントと比べてまだ小さいこともあるが、コスト削減を狙った全社レベルの調達・購買プロセス最適化の需要が高まっていることが大きく寄与し、2015年~2020年の年間平均成長率を7.1%と予測している。
そのほか「人事BPOサービス市場」は、人材不足傾向に加え、雇用流動性の増大による業務量の増加、業務プロセスやスキルセット管理の統合・標準化需要の高まりなどに後押しされ、成長率は調達・購買に次ぐ数値だった。
「財務・経理BPOサービス市場」は、定型業務の領域の需要が一巡しているとみられ、成長率は前記2セグメントと比べると低い。しかし、海外展開などをきっかけとした業務プロセスの統合・標準化などに対する需要が堅調。今後、市場を牽引していくとみられている。「カスタマーケアBPOサービス市場」は、市場規模は最も大きいが、成長率は最も低く、2016年以降は、マルチチャンネル対応やデジタルマーケティングとの連動する需要が当市場の成長を支えると分析している。