名目GDP600兆円を目指す

IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどで

4月19日に開かれた政府の産業競争力会議で新たな成長戦略として「名目GDP600兆円に向けた成長戦略(次期「日本再興戦略」)【案】」が示された。新たな成長戦略では、①新たな有望成長市場の創出、②ローカルアベノミクスの深化、③国内消費マインドの喚起が掲げられている。
有望成長市場の創出では、「第4次産業革命(Society5.0)(IoT・ビッグデータ・AI・ロボット)」と題し、2020年までに付加価値創出30兆円を目指すとしている。例えば、自動走行(2020年高速道路での自動走行)、即時オーダーメード生産、スマート工場、FinTech、ドローン(3年以内のドローン配送実現)や、企業・組織の枠を超えたデータ利活用プラットフォーム創出、シェアリングエコノミー、サイバーセキュリティを掲げている。また、これらの中堅中小企業への導入支援(小型汎用ロボットの導入コスト2割減・中小企業1万社を重点支援)を盛り込んでいる。
このほか市場創出では、「世界最先端の健康立国へ【市場規模:16兆円(2011)⇒26兆円(2020)】」、「環境エネルギー制約の克服と投資拡大【エネルギー関連投資:18兆円(2014fy)⇒28兆円(2030fy)】」、「スポーツの成長産業化【市場規模:5.5兆円(2015)⇒15兆円(2025)】」、「既存住宅流通・リフォーム市場の活性化【市場規模:11兆円(2013)⇒20兆円(2025)】」が示された。
これらに取り組むことで、600兆円に向けた新たな有望成長市場の創出・拡大、人口減少社会、人手不足を克服するための生産性の抜本的向上、新たな産業構造への転換を支える人材強化を目指す。
安倍政権では毎年、新たな成長戦略が示されているが、実現の有無が検証されていないことが指摘され、これらの戦略をどう足元に落とし込むかが問われている。

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