健康面の悪影響を認識し、ICT活用を

VDT症候群が小児でも報告

文部科学省が9月15日に開催した「第4回デジタル教科書の位置付けに関する検討会議」で、日本小児連絡協議会が「ICTの活用は健康面での悪影響があることを認識した上で、教育現場での活用を考える必要がある」と提言した。
同検討会議は、「デジタル教科書」の位置付け及びこれに関連する教科書制度の在り方について専門的な視点から検討することを目的に今年5月から会合を続けている。デジタル教科書は地理的場所や障害・病気の有無等の要因による教育格差を乗り越えた教育アクセスや、不登校、特定の箇所の学習が遅れている児童生徒等に対してきめ細かい対応が可能などのメリットが指摘されている。
日本小児連絡協議会は、子どもがインターネットに関わることで生じやすい問題点として、①情報管理が十分にできないこと、②日常生活リズムの障害が生じやすいこと、端的には使用時間が長くなり睡眠不足に起因する健康障害が生じやすいこと、③親子の絆や実体験不足により社会性の獲得の機会が欠如する危険性、④一般に子ども達にはスマホなどを購入し、維持管理する経済能力がないことを挙げている。中でもディスプレイを見ながら長時間に渡る作業により、「VDT(Visual Display Terminal)症候群」の危険性を指摘。眼精疲労、視力低下、ドライアイ、肩のこり、首から肩、腕の痛み、頭痛、心の症状-イライラ感、不安感、抑うつなどの症状は小児でも診断されていることを報告した。
なお、会議の検討内容には「デジタル版教科書は紙の教科書との併用を前提とすることが適当と考えてよいか、また、その際、発達段階に応じた違いを考慮する必要があるかどうかについて検討する必要がある」との視点も含まれている。

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