企業の動き【2014年9月】

成長エンジンを加速 ◆凸版印刷

凸版印刷は7月23日、東京都文京区のトッパン小石川ビルで記者懇談会を開き、今期の業績と経営方針を発表した。2014年3月期の連結売上高は前期比2.0%増の1兆5,320億円、連結経常利益が2.0%増の377億円と増収増益を達成した。同社の金子社長は「グループを含めた構造改革の遂行、新事業と新市場の創出、グローバル事業展開を加速させて成長エンジンのスピードを上げる」との方針を示した。ICT事業のグループ・データセンター、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシン)事業、電子書籍や電子チラシなどメディア事業、バリアフィルム事業で米国ジョージア州に新工場を建設し2016年3月から量産を開始する。

強みを再構築・強化 ◆共同印刷

共同印刷は7月24日、東京都文京区の本社で業界記者懇談会を開催し、今期業績と中期経営方針を発表した。同社の藤森社長は「強みの再構築・強化で利益を創出する」と中期経営計画について説明。情報系事業の競争力再構築、生活・産業資材系事業で利益を創出する「強みの強化・再構築」を展開する。新規事業では全社の営業資産を集約した「トータルソリューションオフィス(TSO)」を開発し、クレジットカード会社向けのソリューションなどを展開する。

BPOプロジェクトを推進 ◆図書印刷

図書印刷は8月4日、東京都北区の図書印刷本社で記者懇談会を開き、ペーパーメディアを核とした印刷事業における市場シェア拡大、協業や提携による拡印刷事業を核とする中期経営計画と今期基本方針を発表した。営業支援ツールの強化、営業人員の増強、沼津工場の生産増強、組版能力の強化、小中学校教科書の改訂需要の取込み、BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)プロジェクトを推進する。新役員体制と組織強化で売上拡大を図り、単体で前半期の黒字化を達成し、図書ブランドの認知・向上を目指す。

印刷通販『なにプリ.com』を開設 ◆浪速プリント

浪速プリントは8月1日、印刷通販サイト「なにわプリント(なにプリ.com)」を開設した。浪速プリントでは季節ごとに必要な商材を「低価格」で提供。また、価格だけでなく、品質面でも「JapanColor」を取得する印刷工場で生産することでしっかりした作業管理を実現する。納期に関しても24時間稼働の生産工場により、万全の体制を整えている。

包装用紙を価格改定 ◆製紙各社

王子マテリアルは10月1日出荷分から包装用紙の価格を改定する。対象品種は未晒クラフト紙の重袋用両更クラフト紙(重包装)、一般両更クラフト紙(軽包装)、特殊両更クラフト紙(半晒)、晒クラフト紙の両更晒クラフト紙、片艶晒クラフト紙、純白ロール紙、防湿紙のグリーンラップ。改定幅は全品種12%以上の値上げとなる。日本製紙は10月1日出荷分から白板紙の価格を改定する。対象品種は、コート白ボール・特殊板紙・高級板紙。改定幅は各品種10%以上。北越紀州製紙は10月1日出荷分から白板紙の価格を改定する。対象品種は白板紙全品種。改定幅は10%以上。

総合機材展が盛況 ◆姫路モトヤ

姫路モトヤ主催の「姫路モトヤ総合印刷機材展2014」が7月25日、26日の両日、兵庫県明石市の明石市立産業交流センターで開催され、二日間で360社、900人が来場した。従来開催していた神戸三宮のサンボーホールから会場を移しての開催となったが、盛況のうちに終えた。会場では「モトヤ実践印刷道~業界の風を感じ、人を動かし、地域に力を!」の開催テーマのもと、展示やセミナーを展開。"地域活性化"を軸に、全印工連が発行した「印刷道」の6類型の一つ、「地域活性プロモーター」となる「地域イノベーションハブ」としての情報や最新ソリューションを提案した。また、「魚の棚商店街キャラクター」をテーマにしたP-1グランプリも実施し、1位の㈱デイリー印刷のほか入賞作品が選ばれた。明石の魚の棚商店街でも「皆で決めよう!魚の棚イメージキャラクター総選挙」の題目でイベントを開催。ポスターが8月31日まで商店街に貼り出され、地域の商店街と連携した。

新和印刷を買収 ◆石田大成社

石田大成社はこのほど、大阪市の新和印刷株式会社とその子会社の新和ロジスティクスの買収を決定した。11月に発足する新和印刷の事業継承会社の全株を取得し、完全子会社化する。両社の売上高は2013年10月期で合計33億2,400万円に上る。買収によるシナジー効果で業容の拡大と事業の効率化を目指す。新和印刷、新和ロジスティクスは、三井住友銀行及びスポンサー企業である石田大成社と連名で、地域経済活性化支援機構に対し、事業再生計画を提出。再生支援の申込みを行い、7月22日、機構から再生支援決定の通知を受けている。

英国印刷会社にLED UV機 ◆桜井グラフィックシステムズ

イングランド中部に位置するロザーハム市の印刷会社「B&B Press社」はこのほど、桜井グラフィックシステムズのLED UV搭載四六半裁4色オフセット印刷機「オリバー480SD」を導入した。また、LED UV搭載5色機オリバー580SDも半年後に納入される予定で、稼働状況を見て来年3台目の導入を検討する。LED UVの導入に際し、同社は他社製品と比較検討した。欧州で桜井のLED UVの導入実績がなかったことから責任者を日本に派遣して実機を見学した。

ポストプレス部門を再編 ◆ハイデルベルグ社

ドイツ・ハイデルベルグ社はこのほど、ポストプレス製品の再編成を発表した。新たな市場環境下では、社内生産のみで競争力を保持することが困難になっていたことからルートヴィヒスブルグで製造している折り機以外の関連製品を製造中止する。

ハイデル中綴じ・無線を引き継ぎ ◆ミューラー・マルティニ

スイスのミューラー・マルティニ社はこのほど、ドイツ・ハイデルベルグ社と、ハイデルベルグ中綴じ機及び無線綴じ機の技術サービスの引継ぎに合意した。ミューラー・マルティニは、2014年末までにハイデルベルグ社ライプチヒ工場で製造されるマシンの技術ノウハウ、世界的な技術サポート及び予備部品供給を全面的に継承していく予定。同社の発表によるとハイデルベルグ社は戦略的な構造改革の一環として、ライプチヒ工場を閉鎖し、中綴じ機および無線綴じ機の製造販売から撤退する。

SCREENホールディングスに ◆大日本スクリーン

大日本スクリーン製造は、今年10月1日付で持ち株会社体制に移行し、会社分割する。分割後は大日本スクリーン製造から『株式会社SCREENホールディングス』に社名を改め、グループ企業の経営管理を行う。会社分割後の承継会社は次の通り。
▽(株)SCREENセミコンダクターソリューションズ=半導体機器事業および計測機器事業
▽(株)SCREENファインテックソリューションズ=FPD機器事業およびその他装置関連事業
▽(株)SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ=印刷関連機器およびプリント基板関連機器事業
▽(株)SCREENマニュファクチャリングサポートソリューションズ=製造支援及び製造請負業務
▽(株)SCREENビジネスサポートソリューションズ=シェアードサービス業務(総務、経理、人事、情報システムなどに関連する業務)

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